黙っていても客入りが見込めるカフェでも、常にサービス向上を心掛けている。 SantaMonica,CA
緊張感が違う、日米の接客業におけるサービス。
ここ近年、日本の接客サービスレベルの低下が著しい。遠い過去のマニュアル謳歌時代を経て、残したものは一路形骸化なのだろうか。彼の地アメリカでは、チップ文化の素地もあり、ひとつひとつの接客サービスに余念がない。どこでも、とは言わないが、そんな温かみを感じさせてくれるお店に多く出会った。今年2013年のこと。
感性を働かせる人に心あり。
ほどなく出てきたコーヒーはとても熱く、自分には少々苦め。
そこで、お冷から氷を一つ二つ、スプーンですくってコーヒーに入れる。
よくやる「マイ調整」。
驚いたのはお代わりの時。
軽い身のこなしでコーヒーをなみなみと注いでくれたあと、そのウェイトレス嬢は
こう言ってくれた。
「ちょっと待っててね。今、すぐに氷も持ってくるから!」
不思議である。
結構な客入りの店内、あっちこっちと動きまわる彼女。
いつ、どこから、「熱さ苦さのマイ調整」行為を見ていたのだろう。
最低限をすることが仕事、と思っている人にはあり得ない感性だ。
感性のアンテナを向けること=心の温かみを渡すこと。
素早く持ってきてくれた氷を手に、サンキューとひとこと。
いいえ、と彼女は去りながら笑顔にウィンクを添える。
ほんのちょっとの所作が、おそらくは常連とはならない(当分来ないだろう)お客の気持ちをも満たしてくれる。
接客のサービスでも、技術のサービスでも、良い商品をお届けするのも、全ては顧客満足を持って完結する。
「ある接客に見た本物。アメリカ不景気脱出の本気。」
さり気なく向けられたアンテナ。ゲストが喜ぶことを知ろうとする温かい感性。そして、普段からやってのける、この、本気度。アメリカは、みんなが本気で不景気を乗り越えようとしている、少なくとも、日本より何歩も先にトンネルを抜けていくだろう、そう思わせてくれた
接客サービスを学ぶのに、研修室の中で白板やOHPを見つめて講師先生からお話を聞く・・・だけではないようです。
まだまだ他にも、素敵な先生が、ほんの身近に、たくさんいらっしゃるのですね。
ロサンゼルスにしてはとても寒い2月のこの日、熱さを冷ましたコーヒーを、とても温かく戴きました。
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